Webマーケティング指標CVR・CTRって?計算方法や目的を解説

Webマーケティングには、効果を測定するために欠かせない重要な指標がたくさんあります。Webを通じて顧客を獲得し、ビジネスの成果を最大化するために、まずは覚えておくべき必須用語と、その算出方法などを分かりやすく解説します。

目次

Webマーケティング指標

CVR(コンバージョン率)

Webサイトを訪れたユーザーのうち、コンバージョン(CV)に至った割合を示す指標です。

コンバージョンとは、Webサイトの最終的な成果のこと。具体的には、商品購入、資料請求、会員登録、問い合わせ、メールマガジン登録などがあげられます。

CVRが高いほど、Webサイトが効率よく成果を上げていることを示します。CVRを改善することで、同じアクセス数でもCV数を増やすことが可能になります。

CVRの特徴

  • 業界による差:BtoB(法人向け)サービスは、高単価で検討期間が長いためCVRが低くなりがちです。一方、ECサイトは商品単価や種類によってCVRが大きく変動します。コンサルティングや金融など、問い合わせや資料請求がCVの場合、CVRは10%を超えることもあります。
  • CVの種類:「商品購入」のようなハードルが高いCVはCVRが低く、「資料請求」や「メルマガ登録」のようなハードルが低いCVはCVRが高くなります。
  • デバイスによる差:一般的に、PCからのアクセスはCVRが高く、スマホからのアクセスはCVRが低い傾向にあります。

CTR(クリック率)

広告や検索結果が表示された回数(インプレッション数)のうち、クリックされた割合を示す指標です。

CTRが高いほど、ユーザーの興味を惹きつける魅力的な広告やコンテンツであることを示します。CTRを改善することで、Webサイトへの流入を増やすことができます。

CTRの特徴

  • 広告の種類:ユーザーの検索意図に合致した広告を表示するリスティング広告は、視覚的に訴えかけるディスプレイ広告よりもCTRが高くなります。
  • キーワード:検索ボリュームが多く、競合が激しいキーワードほどCTRは低くなる傾向があります。
  • クリエイティブ:広告文やバナーのデザインが、ターゲットユーザーの興味を惹きつけるものになっているかどうかが成果に大きく影響します。

CPC(クリック単価)

広告が1回クリックされるごとに発生する費用です。

CPCは、リスティング広告(検索連動型広告)や一部のディスプレイ広告など、「クリック課金型(PPC: Pay Per Click)」の広告モデルで特に重要な指標となります。CPCを抑えることで、同じ広告予算でもより多くのクリックを獲得できます。

CPCの特徴

  • 競合の多さ:競合が多い業界やキーワードほど、CPCは高騰する傾向にあります。
  • キーワード:検高単価な商材や、CVに近いキーワード(例:「サービス名 料金」など)は、CPCが高くなる傾向があります。
  • 広告の品質:広告の品質スコアが高いと、CPCが安くなる傾向があります。品質スコアは、キーワードと広告文・LPの関連性、CTRなどから算出されます。

CPA(顧客獲得単価)

1件のコンバージョン(CV)を獲得するためにかかった費用です。

CPAは、Webマーケティング施策の費用対効果を総合的に判断するための指標です。目標CPAを設定することで、採算の合う広告運用が可能になります。

CPAの特徴

  • 業界によって大きく異なる:ECサイトでは数千円、BtoBサービスでは数万円、不動産や高級車などの高単価商材では数十万円になることもあります。
  • 限界CPA:最も重要な基準は、限界CPA(損益分岐点)で、1件のCVを獲得するためにかけられる費用の上限額であり、これを超えると赤字になるため費用対効果の見極めが必要です。
  • 目標CPA:限界CPAを踏まえた上で、目標とする利益を確保するためのCPAを設定することが重要です。

ROAS(広告費用対効果)

広告費用に対して、どれだけの売上があったかを示す指標です。

ROASは、広告がどれだけ収益に貢献したかを直接的に示します。ROASが高いほど、効率の良い広告運用ができていると言えます。

ROASの特徴

  • 目標設定が重要:ROASは高ければ高いほど良いですが、目標とする利益率から逆算して設定することが重要です。
  • 複数商品の比較・判断に強い:ECサイトのように、単価の異なる多様な商品を扱うビジネスにおいて、ROASは非常に強力な指標となります。
  • 短期的な広告パフォーマンス評価:ROASはシンプルな計算値であり、リアルタイムに近い形で広告の効果を把握し、即座に施策の調整に活かすことができます。

ROI(投資利益率)

ROIは、投じた費用(投資額)に対して、どれだけの利益を得られたかを示す指標です。

ROIが高いほど、その投資の効率が高く、成功していると判断できます。

ROIの特徴

  • 採算性(利益)を直接的に把握:「売上」ではなく「利益」を分子とするため、その施策が企業に本当の儲けをもたらしたのかどうかを直接判断できます
  • 公平な比較:異なる媒体やキャンペーンへ予算を配分する際、ROIを共通の評価軸にすることで、「どの媒体・キャンペーンが最も利益効率が良いか」を公平に比較できます。

各指標の主な使用目的

紹介した指標は、広告運用やWebサイト改善において、目標達成度や費用対効果を測定・評価するためには必要不可欠になります。

指標英語表記名称計算式主な使用目的
CVRConversion Rateコンバージョン率コンバージョン数÷セッション数×100サイトや広告の効率を評価し、改善点を見つける
CTRClick Through Rateクリック率クリック数÷インプレッション数×100広告の訴求力や、ターゲット設定の適切性を評価する
CPCCost per Clickクリック単価広告費用÷クリック数広告運用における費用の効率性を評価する
CPACost Per Action顧客獲得単価広告費用÷コンバージョン数顧客獲得のコスト効率を評価し、目標単価との比較により予算の許容範囲を判断する
ROASReturn On Advertising Spend広告費用対効果売上÷広告費用×100広告が売上にどれだけ貢献したか(売上効率)を評価し、予算配分を決定する
ROIReturn on Investment投資利益率利益÷広告費用×100広告施策が最終的に儲かっているか(採算性)を評価する

最後に

紹介した指標は、単なるデータではなく、ビジネスの健康状態を示す「体温計」や「成績表」のようなものとなります。

ぜひこの知識を土台として、次は「なぜその数値になったのか?」「どうすればこの数値を改善できるか?」という仮説検証のフェーズに進んでみてください。数字を理解し、使いこなすあなたが、必ずビジネスの成果を変えることができます。

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