「せっかくLPにアクセスがたくさんあるのに、全然成果に繋がらない…」
「どうすればもっとコンバージョン率を上げられるんだろう?」
こんなお悩みをお持ちではありませんか?
LP(ランディングページ)の成果を最大化するための最も効果的な手法の一つが「A/Bテスト」です。この記事では、A/Bテストの目的から具体的なやり方、成功の秘訣を解説します。
なぜLPにA/Bテストが必要なのか?
A/Bテストとは、LPの一部の要素を変えた2つのパターン(AパターンとBパターン)を用意し、どちらがより高い成果を出すかを比較・検証する手法です。
LPに正解はなく、リリースして終わりではありません。A/Bテストによりユーザーの行動を最適化し、LPのCVRを向上させることにより、「投資対効果を最大化させ、ビジネスを成長」させることができます。
LPにおけるA/Bテストの目的
LPのA/Bテストの目的は、単に「コンバージョン率を上げること」だけではありません。その根底には、ビジネスの成長を加速させるためのより深い目的がいくつか存在します。
推測からの脱却!

これはA/Bテストの最も基本的な目的です。私たちはLPを設計する際、「このデザインならユーザーに刺さるだろう」「このキャッチコピーならクリックしてくれるはず」といった仮説を立てます。しかし、これらの仮説はあくまで私たちの主観や経験に基づいたものです。
A/Bテストは、この「だろう」を排除します。特定の要素を変更したLP(Bパターン)と元のLP(Aパターン)を比較することで、どちらのパターンが実際により多くのユーザーをコンバージョンに導いたかをデータで明確に示します。
ユーザーの心理を知る!

例えば、「限定感を出すと購買意欲が高まるはずだ」という仮説を立て、「今だけ限定!」という文言を加えてA/Bテストを行ったとします。もしこのBパターンが勝利すれば、そのLPのターゲットユーザーが「限定性」に強く反応する心理を持っていることが証明されます。このように、A/Bテストはユーザーの行動心理を深く理解するための科学的なアプローチなのです。
投資効果の最大化!

LPへのトラフィック(アクセス)獲得には、広告費などのコストがかかっています。A/Bテストは、この貴重なトラフィックを最大限に活用するための重要な手段です。
コンバージョン率が上がれば、同じ訪問者数でも売上が増加します。A/Bテストによる継続的な改善は、LPが持つポテンシャルを最大限に引き出し、最終的なビジネスの収益性を高めることに直結します。
A/Bテストの基本的な5ステップ
ステップ1 課題を特定
まず、「LPのどこに問題があるのか?」を考えます。アクセス解析ツールやヒートマップツールを使って、ユーザーが離脱しているポイントや、クリックされていない箇所を探しましょう。
確認ポイント
- どこで離脱しているか?:LPのどのセクションまで読まれているかを確認
- どこがクリックされていないか?:LP内のCTA(リンク)が想定通りにクリックされているかを確認
- どのくらい熟読されているか?:滞在時間や、LP内で特に熟読されている箇所を確認

ステップ2 仮説を立てる
課題が明確になったら、「なぜその課題が生じるのか?」「どうしたら改善できるのか?」の仮説を立てます。
ユーザーは、LPを閲覧する際に様々な心理的な障壁(ハードル)を抱えており、これらの障壁を想像し、取り除くための仮説を立てる作業になります。
仮説ポイント
- 「自分が求めているものではない…」という認識:ユーザーが目的とする商品やサービスではないと感じていないか?
- 「本当に価値があるの?」という疑問:商品やサービスに本当に価値があるのか?何を解決するしてくれるのか?自分に合うのか?ユーザーは常に疑いを持っています
- 「行動しにくい」というストレスや不安:申し込みが面倒と感じたり、わかりにくくストレスを感じたり、損をするかもしれないという不安を感じていないか?
ステップ3 テストパターンの作成
元の要素(Aパターン)と、仮説に基づいて変更を加えた要素(Bパターン)を作成します。このとき、最も重要なのが「一度に一つの要素だけを変更する」というルールです。キャッチコピーとボタンの色を同時に変えてしまうと、どちらの変更が成果に影響したのか分からなくなってしまいます。
テストパターン作成ポイント
- 要素の有無と配置:LP内に「どのような要素を入れるか入れないか」、また「どこに配置するか」のパターンを作成
- デザイン:「要素の色や大きさ」、「写真素材の違い」などのパターンを作成
- 文章:ユーザーの「興味を引く文章」や「ボタンの文字」のパターンを作成
ステップ4 テストの実行
A/Bテストツールなどを使って、LPへのアクセスをAパターンとBパターンに均等に振り分けます。テスト期間中は、両方のパターンに同じ条件でユーザーが流入するように設定しましょう。
テスト実行のポイント
- 同じ期間で行う:曜日や季節、時事ニュースや社会的なトレンドによってユーザーの行動は大きく変わります
- 1箇所ずつ行う:いくつも同時に変更してテストしてしまうと、どこの変更が成果に影響したのか分からなくなってしまいます
- 流入経路を同じにする:異なる流入経路にすると訪問してくるユーザーの質や特徴が異なり、正しい比較データが得られなくなります
- 検証できるPV数を確保:一定量の母数が得られないと、統計学的な有意差が判断できなくなってしまいます
ステップ5 結果の分析と評価
最後に初めに立てた仮説が正しかったかどうかを確認し、次のアクションにつなげます。A/Bテストが終了したら、両パターンの結果を比較することで、どちらが優れているかを判断することができます。
分析・評価のポイント
- 統計的有意性を確認する:統計的な有意性を確認することで、結果が信頼できるものであることを示すのができます
- 負けたパターンからも学ぶ:BパターンがAパターンに負けた場合も、「この変更はユーザーに響かなかった」という貴重な学びと捉え、なぜ失敗したのかを考察し次の仮説に活かしましょう
A/Bテストの効果的なポイントと改善事例
LPには様々な要素がありますが、特にA/Bテストの効果が出やすい代表的な要素と改善事例をいくつかご紹介します。
ファーストビュー
LPに訪れて最初に目に入る部分です。ユーザーの興味を引きつけ、読み進めてもらうための非常に重要な要素です。ここでユーザーの興味を得られなければ、一瞬でページを閉じられてしまいます。
テスト要素
- メッセージ(キャッチコピー):商品・サービスのベネフィットを伝える表現、ユーザーの悩みに訴えかける表現、権威性を示す表現など
- ビジュアル:商品の魅力を伝える写真やイメージ画像、またはユーザーが「自分ごと」として捉えられるような共感性の高いビジュアルなど
- Aパターン:「10倍の浸透力!肌の奥まで届く美容液」
- Bパターン:「もう乾燥に悩まない!潤いが一日中続く美容液」

結果
Bパターンの方がユーザーの悩みに直接訴えかけるため、CVRが10%向上しました
CTA(Call to Action)
ユーザーに具体的な行動を促すボタンです。「購入」「申し込み」「資料請求」など、最もコンバージョンに近い要素です。
テスト要素
- ボタンの文言:ユーザーの不安を和らげたり、背中を後押しするメッセージ
- ボタンのデザイン:ユーザーがクリックしやすいと感じたり、行動を促す色やサイズ、あしらいなど
- Aパターン:青色の「お申し込み」ボタン
- Bパターン:緑色の「お申し込み」ボタン

結果
BパターンはLPの配色とは異なる目立つ緑色で、視線誘導効果とボタンであることが明確になり、CVRが8%向上しました。
オファー
ユーザーの購買意欲に直接影響を与え、具体的な行動を後押しする部分です。
テスト要素
- 価格の表示方法:「初回限定価格」vs「定期便なら10%オフ」、税込み表示vs税抜き表示
- 保証内容:全額返金保証の有無、お試し期間の長さ
- 特典:限定特典、送料無料、ポイント付与など
- Aパターン:「返金保証あり」という文言をCTA部分に配置
- Bパターン:「30日間 全額返金保証」という保証内容をCTA部分に配置

結果
Bパターンは保証内容を明確にし、ユーザーの「もし自分に合わなかったらどうしよう…」という不安を払拭しました。これにより、CVRが15%向上しました。
効果・実績
商品やサービスの効果や実績、ユーザーの評価や体験談を掲載することで、より安心感や信頼感を与えることができる要素です。
テスト要素
- 訴求の切り口:「機能性」を強調するか、「使用感」や「体験」を強調するか
- 証拠(エビデンス):顧客の声、レビュー、受賞歴、専門家の推薦文、具体的な数字データなど
- Aパターン:商品の成分や効果を詳しく説明
- Bパターン:実際に商品を飲んだユーザーの「感謝の声」を複数掲載

結果
権威性よりも実際の効果を示すことで信頼性が高まり、CVRが18%向上しました。
LPはA/Bテストで「育てる」ことができる!
LPは一度作ったら終わりではありません。ユーザーのニーズや市場の動向は常に変化しています。A/Bテストは、そうした変化に対応し、LPを「育てる」ための唯一無二のツールです。
「どこから手をつければいいか分からない…」と感じた方は、まずは「CTAボタンの文言を変えてみる」といった、小さなテストから始めてみてください。その小さな一歩が、あなたのLPの成果を大きく変えるきっかけになります。